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煩雑な物品貸出管理を解決!大学事務のためのデジタルツール活用術

Tags: 物品貸出管理, 大学事務DX, 業務効率化, ツール活用, デジタル化

大学事務の隠れた負担?物品貸出管理の課題

大学の様々な部署では、プロジェクター、カメラ、実験器具、特定の部屋の鍵、備品など、多様な物品の貸出が行われています。これらの物品管理は、日々の業務の中で意外と時間を取られるものです。

現在、多くの大学事務室では、物品の貸出管理を紙の台帳やExcelファイルで行っているのではないでしょうか。このような方法には、以下のような課題が伴います。

これらの課題は、日々の業務の効率を下げ、事務職員の負担を増大させている可能性があります。このような状況を改善するために、「物品貸出管理のDX」を検討してみてはいかがでしょうか。

物品貸出管理のDXで何が変わるのか

物品貸出管理におけるDXとは、従来の紙や手作業中心の管理から脱却し、デジタルツールを活用してプロセス全体を効率化、自動化、一元化することを目指します。これにより、具体的には以下のような変化が期待できます。

これらの変化は、事務職員の作業時間を大幅に削減し、管理の精度を高めるだけでなく、物品を利用する教職員にとっても利便性の向上につながります。

物品貸出管理に活用できるデジタルツール

物品貸出管理のDXを実現するために、特別な専用システムを導入する必要はありません。日頃から利用している、あるいは比較的容易に導入できる身近なデジタルツールでも、大きな効果が期待できます。

1. フォーム作成ツール (例: Google Forms, Microsoft Forms)

2. スプレッドシート (例: Google Sheets, Microsoft Excel Online)

3. カレンダーツール (例: Google Calendar, Outlook Calendar)

4. 低コード/ノーコードツール (例: kintone, Power Appsなど)

まずは、身近なフォーム作成ツールとスプレッドシートを組み合わせることから始めてみるのがおすすめです。これだけでも、紙や単独のExcelファイルでの管理に比べて大幅な効率化が図れます。

DXを成功させるためのステップとポイント

物品貸出管理のDXを進めるにあたっては、以下のステップとポイントを参考にしてください。

  1. 現状の課題とニーズの整理: どのような物品を誰が、どれくらいの頻度で貸出しているのか。現在の管理方法の具体的な課題は何か。どのような情報を管理したいか。これらを明確にすることで、必要なツールや機能が見えてきます。
  2. 対象範囲の決定: 最初から全ての物品を対象にするのではなく、特に貸出頻度が高い物品や、管理が煩雑で困っている物品など、一部からスモールスタートすることをおすすめします。
  3. ツールの選定と準備: 課題と対象範囲に合わせて、利用するツールを決定します。無料または既存の契約内で利用できるツールから試してみると良いでしょう。フォームやスプレッドシートの設定を行います。
  4. 運用ルールの策定と周知: 新しい申請方法や管理方法について、教職員向けに分かりやすいマニュアルや説明資料を作成し、周知徹底を図ります。問い合わせ先なども明確にしておきます。
  5. 運用開始と改善: 実際に運用を開始し、使っていく中で出てくる課題や改善点(例: フォームの項目、管理台帳の見やすさ、通知の方法など)を定期的に見直し、改善を続けます。教職員からのフィードバックを収集することも重要です。

推進のポイント:

まずは、身近なツールで一歩踏み出しましょう

大学の物品貸出管理は、日々の細かな業務ながら、積み重なると大きな負担となり得ます。これをデジタルツールに置き換えることは、業務効率化の第一歩として非常に有効です。

プログラミングの知識や特別な技術は必要ありません。普段使っているOfficeソフトやGoogle Workspaceの機能でも、十分に改善を実現できます。まずは、最も管理に困っている物品一つに焦点を当てて、フォームとスプレッドシートでオンライン申請・管理を試してみてはいかがでしょうか。

小さな成功体験を積み重ねることが、大学全体のDX推進につながります。物品貸出管理の効率化から、あなたの部署のDXを始めてみましょう。