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大学評価対応を効率化!大学事務のためのデータ管理・分析DX入門

Tags: 大学DX, データ管理, データ分析, 業務効率化, 大学評価, スプレッドシート

大学評価対応におけるデータ業務の課題

大学の運営において、認証評価や学部学科の第三者評価、さらには競争的資金の申請準備など、様々な外部評価への対応は欠かせない業務です。これらの評価準備では、教育研究活動に関する多岐にわたるデータを収集し、定められた形式で整理・分析し、報告書を作成する必要があります。

このプロセスにおいて、大学事務職員の皆様は以下のような課題に直面することが少なくありません。

これらの課題は、事務職員の皆様の負担を増大させ、評価対応の品質にも影響を与えかねません。しかし、デジタル技術(DX)を適切に活用することで、これらのデータ業務を効率化し、負担を軽減することが可能です。

DXで変わるデータ業務:効率化の可能性

大学評価対応におけるデータ収集、管理、分析、報告といった一連のプロセスにDXを取り入れることで、以下のような効率化が期待できます。

具体的なツールと活用ヒント

新しいシステムを導入せずとも、現在多くの大学で利用されている身近なツールを活用することで、評価対応のデータ業務を効率化できます。

1. データ収集の効率化:オンラインフォームの活用

教員の研究業績情報、学生の学習状況に関するデータ、特定の取り組みに関するアンケートなど、評価に必要な情報を学内から収集する際に、Google FormsやMicrosoft Formsといったオンラインフォームツールが役立ちます。

フォームを利用することで、手書きやWordで収集していた情報のデータ化の手間を省き、最初から集計しやすい構造でデータを集めることができます。

2. データ管理・整理・集計:スプレッドシートの高度な活用

Google SheetsやMicrosoft Excelは、単なる表計算ツールとしてだけでなく、データ管理・集計の中心的なツールとして活用できます。特に共同編集機能を持つGoogle Sheetsは、複数担当者でのデータ集約・管理に適しています。

これらの機能を活用することで、手作業でのコピー&ペーストや並べ替え、電卓での計算といった作業を大幅に削減し、ミスを防ぐことができます。

3. データの可視化:グラフ機能の活用

集計・分析したデータは、評価報告書においてグラフや図表を用いて視覚的に示すことが求められます。スプレッドシートのグラフ作成機能も十分に役立ちます。

DX推進のステップと注意点

評価対応のデータ業務におけるDXを始めるにあたっては、以下のステップと注意点を踏まえることが重要です。

  1. 現状の課題を明確にする: 評価対応の準備において、どのようなデータ収集、加工、集計作業に最も時間や労力がかかっているか、ミスが発生しやすい部分はどこかなど、具体的な課題を洗い出します。
  2. 小さな成功を目指す: いきなり全てのデータ業務をデジタル化しようとせず、最も効果が見込めそうな一部のプロセスからDXを導入します。例えば、「特定のアンケート回答の収集をフォーム化する」といった小さな取り組みから始めます。
  3. 既存ツールの可能性を探る: Office 365やGoogle Workspaceなど、大学がすでに契約しているツールに含まれる機能(Forms, Sheets/Excel, Drive/OneDriveなど)で何ができるかを確認します。多くの場合、高度な機能を活用することで効率化が可能です。
  4. 情報システム部門と連携する: 新しいツールの導入や、既存システムとの連携が必要になる場合は、情報システム部門に相談します。セキュリティや学内規程に沿った適切な対応をサポートしてもらえます。
  5. データセキュリティに配慮する: 評価関連データには機密性の高い情報や個人情報が含まれる場合があります。データの保管場所、アクセス権限の設定、共有範囲など、セキュリティには十分配慮する必要があります。

まとめ

大学評価対応におけるデータ収集・整理・分析業務は、多くの事務職員の皆様にとって大きな負担となりがちです。しかし、オンラインフォームによる収集、スプレッドシートの高度な機能活用、クラウドストレージでの一元管理といったDXの手法を取り入れることで、これらの業務を効率化し、より正確かつ迅速な対応が可能になります。

まずは、現在抱えているデータ業務の課題を具体的に把握し、身近にあるツールを活用した小さな一歩から始めてみてはいかがでしょうか。効率化によって生まれた時間や労力を、より質の高い評価報告書の作成や、他の重要な業務に充てられるようになるはずです。ぜひ、できるところからDXによる業務改善に取り組んでみてください。